ゲーテアヌム-常識外な表現主義芸術の傑作へ-

【設計】 ルドルフ・シュタイナー
【所在地】Rüttiweg 45, 4143 Dornach, スイス[地図]
【用途】 ホール・ギャラリー・図書館
【構造】 RC造
【竣工】 1928年〜

スイスのバーゼル近郊、ドルナッハに巨大な彫刻と呼べるような建築が存在します。ドイツの神秘思想家であるルドルフ・シュタイナーによって、自分たちの活動にふさわしい形の建物が必要だとの考えからこの独創的な建築が設計されました。ゲーテアヌムという名称は、ドイツの文豪ゲーテにちなんでつけられています。現在はシュタイナー創設のアントロポゾフィー協会本部と、精神科学自由大学の本部が置かれています。

さて、このゲーテアヌム。実は第二ゲーテアヌムと呼ばれていて、火事で焼失した第一ゲーテアヌムに代わるものとして建設されたものになります。火事による第一の焼失を受けてなのか、この第二ゲーテアヌムはRC造が採用されており、なんと粘土による模型を作成したのち、設計図についてはプロの建築家の協力を得て設計されています。

メインエントランス
内部空間
階段の先
赤いステンドグラス
ラウンジ
内部階段
内部階段の見上げ
正面反対の壁面
カフェスペース

シュタイナーは、芸術を「感覚で捉えることのできる世界における超感覚的世界の表現」だとし、このゲーテアヌムにおいてもコンクリートの可塑性をふんだんに活かし、量塊の内に秘められた荒々しい力強さを感じる建築です。